何をするにもと一緒。


何をするにも謙也と一緒。


覚えてる限りの様々な初体験はいつも、と一緒。


覚えてる限りの思い出の中でいつも、謙也と一緒。




俺たちは、


私たちは、













(1)













「なー今日部活終わるの遅いんやけど、どこで待っとる?あ、それとも試合見に来るか?」

「あーどないしよ・・・試合見たいんやけどコートに居ると女子にめっちゃ睨まれるからなぁ・・・」

「えっ睨まれるとかお前なんかしたん?」

「ちゃうわアホ。男テニは謙也除いてイケメン揃いやからな、変にあいつらと仲良うしとるとヤキモチ焼く子がいっぱいおんねん」

「そうなんか・・・って俺除いてイケメンてどういうことやねん!!」

「そのまんまの意味や」








生まれたときから一緒。
家族ぐるみで仲良し。
どこに行くにも何をするにもいつも一緒。
男とか女とか関係ない。
そばにいると落ち着いて安心する。
だからこれからもずっと一緒。
この関係を一言で言うなら――――――――――幼なじみ、というもの。









「謙也ー」

「ん?」

「別に呼んでみただけー」

「はぁ?なんやそれ」

「ついつい名前呼びたくなる名前やねん」

「意味わからんわ・・・」








が笑う、


謙也が笑う、


それがただ嬉しくて、


ただ、幸せで、


いつまでも君と一緒にいたいと思える。




1.もう恋は始まっていた