ベットに腰を下ろす俺の手のひらには小さな箱。 ピンクのリボンに白い箱。 これは明日くる年に一度の『俺達が付き合い始めた記念日』へのプレゼントや。 今回は奮発してゆ、指輪なんてものを買ってみた。 いや、もちろん高いもんなんて買えへんから安いのやけど・・・。 それでも結構した。やっぱ指輪っちゅうのはどんなもんでも高いんやな。 中学生のお財布には大打撃や。四ヶ月分のお小遣いも一気になくなった。 せやけど、が喜ぶんならそんなことええんやけどな。 しかし、こういったプレゼントは初めてやから妙に緊張する。 いつもは女が好きそうなぬいぐるみとかキーホルダーとかストラップとかをプレゼントしとった。 だが、今回はちがう! 中3ってこともあるしでちょっと頑張ってみた。 あとは、その、の予約、みたいな・・・あかんなきもいな自分。 とは言っても結構本気やで、うん。は本間かわえすぎてかなわん。 それに加え優しいし、もうな、俺なんかには勿体無いくらいの彼女。 だから、そんな彼女をとられまいと必死な俺。 そしてそれを白石に相談したら「結婚すればええやろ」「アホか!できるわけないやんけ!今いくつやと思うとるんや!」 「12?」「俺はお前と同じく中学3年生ですけど・・・!」「まぁ確かにまだ結婚は無理やな。でも婚約みたいのやったらできるんとちゃうん?」 「婚約?」「ほら、指輪渡して口約束しとけば平気やろお前らの場合」 最後は軽く適当にあしらわれた気がしたが確かにええ案やなと思った。 というわけで、俺の手のひらにこれが乗ってるわけやな。 小さいはずなのに、手のひらにはずっしりとした重さ。多分俺の思いが加わってるからだろう。・・・我ながら臭いな。 こほんと咳払いをして箱を丁寧に机に置く。 明日これを渡してからのの笑顔を思い浮かべる。 それだけで満たされる心。不思議やな、テニスよりもこんなにドキドキすんなんて。 幸せ、やな。この幸せをくれたに、俺も幸せをやりたいと心の底から思った。 もう一度、箱を手にとって小さく口付ける。 やってからめっちゃ恥ずかしくなってもうたけど、まぁ誰も見てへんからな! 真っ赤だろう顔を枕に押し付けてため息をはく。の右手の指に俺が渡す指輪がついてる想像をしたら、余計顔が熱くなった。






























近い未来、
本物は左手のその指に輝くよ

この先辛いことや悲しいことが二人を襲うことがあるかもしれない。 それでも俺はきみとともにいたい、隣で笑って泣いて愛して、手を握っていたいと思う。 色んな人間にヘタレと呼ばれ頼りなくまだ中3のガキな俺だけど、
『バカになるほど、きみを愛してる。』