「パンツは偉大よ!?夢が詰まってるの!!」
「先輩、勉強してください」
「静雄もそう思わない!?」
「思わないっす」
「だから静雄はいつまでたっても童貞なのよ!!」
「うるせえ!」
お互い補習の課題をやっていたのだが、先輩はそれに飽きたのか騒ぎ出した。
しかもよりよって何故かパンツの話題で・・・。
正直言って俺はこういう話題は得意ではない。
まあこういう話題と、いうのは・・・・・・そういう話題だ。
振られてもどう答えればいいかわからない。
この先輩といるといつもそんな話になるけど、なんだかんだ離れられない。
「静雄ーここわかんなーい」
「いや学年違うんで俺もわからないっす」
「はー・・・なんで勉強しなきゃいけないんだろ・・・」
文句を垂れながら先輩が机に突っ伏す。
ちょっとほっぺたが膨らんでて・・・かわいい。
なんかすげー突っつきたくなる。
ぷにぷにしてそう・・・って、何考えてんだ・・・。
邪念を払うように頭を振って、目の前の課題に向き直る。
う、やべ本当に全部わかんね・・・。
「静雄はどこで悩んでるの?」
「・・・この古文の訳っす」
「あー、これか。ちょっとめんどいよねー古文ってさ。んとっねー、確かこの訳は・・・こうじゃないかな?」
適当な紙にスラスラと先輩がこの文の訳と思われるものを書いていく。
先輩は使ってる言葉とかしている話題は汚いのに字は綺麗だったりする。
そういうとこに女の子らしさを感じてたまにドキッとしちまうんだよなぁ・・・。
「ほいよ、これでいいかな」
「あざーす・・・先輩って古文得意なんすか?」
「うーん、まあ嫌いではないかなー」
数学なんかより全然好きー、なんて言うけど、俺は数学のが古文なんかよりわかりやすくて好きだ。
数学は答えが一つしかないから答えが出しやすいけど、古文みたいなやつは答えがいくつも存在してるからやりにくい。
俺がそう先輩に言うと、「それが楽しいんだよ」と先輩は笑った。
それが俺はめんどくせえと思うんだけどな。
ともあれ、補習の課題を始めてから1時間は経った。
お互いに終わる気配は一向にない。
しかも先輩にいたっては完全に厭きてしまったのか、またパンツがどうとか腰がなんとか脚がねお尻がね、
みたいな意味不明な言葉をつらつら吐き出し始めた。 おい。真面目に課題やれよ。
そうは思ってても俺の方も全く進まない。
先輩がいちいちちょっかい出してくるし、俺もそれに応えちまうから全くできなかった。
まあ俺も好きでこの人に構ってもらってるし構ってるんだけど。
「ねー静雄ー」
「今度はなんすか」
「今日の帰りなんか食べて帰ろー?」
「いいっすよ」
先輩がまっさらな補習の課題を鞄に詰め込んで席を立つ。
って、
「今からかよ!」
「え?うんそうだけど」
「いや、補習のどうするんすか?」
「んーまた今度気が向いたらやる」
ズカズカと教室の扉に進んでく先輩に急いで課題を鞄に突っ込んで追いかける。
また補習の課題を追加されるのかと思うとげんなりしたが、
先輩とまた一緒にいれるならそれもまたいいかなんて思う俺は相当重症なんだろうな。
でも、だけど、だから、すき
「お、あの女の子いい脚してる!!」
「先輩マジ黙ってください」
にひって笑う顔がまぶしい。