にこ。
が笑う。
なんで笑うかおれにはわかんなくて首を傾げたら、はもっと笑った。
なんだよ、って言えばはおれの頭を優しく撫でる。
「・・・ガキ扱いすんな」
「なぁに言ってんの。静雄はまだ子供でしょ?」
確かにはおれより年上だけど・・・でも、たった5歳差だろ。
だってまだ、18のくせに。
ムカッとしたからから顔を逸らした。
「しーずお」
「・・・」
「ふて腐れてどったの?」
「のせいだ」
「私?どうして?」
「自分で考えろばーか」
横目で見れば、はにこにことしてる。
頭もずっと撫でてくる。
ムカつく、けど嫌じゃない。
おれの頭を撫でてくれるやつなんて、親を抜かして以外知らない。
むしろ、おれに近づくやつなんていないけど。
「静雄、」
「・・・なんだよ」
「眉間に皺よってるよ?せっかく可愛い顔してるんだから、そんな顔しちゃダメだよ」
「か、可愛いって・・・何言ってんだよ!おれは男だから可愛くない!!」
「そう?私は可愛いと思うよ?もちろん幽も可愛いと思うけど」
「っそんなこと思うのはだけだ!」
おれよりでかいを見上げて睨むと、は一瞬きょとんとしてからすぐにまた笑った。
さらに睨みつければ「そういうところが可愛いんだよ」と言われて、頭をわしゃわしゃと撫でられる。
だから、ガキ扱いすんな!!
「も、撫でるのやめろ!」
「えーいいじゃんかーていうか静雄の髪いいなぁ柔らかくてすっごい撫で心地いい・・・好きだなぁ」
「〜〜っ!」
特に、意味がないってわかってる。
わかってるけど、おれは顔が熱くなるのをとめられなかった。
俯いて、に顔を見られないようにする。
またが笑った気がしたけど、おれはもう抵抗する気もなんか言う気もなくした。
「いつまでもさ、静雄は静雄のままでいてね」
ぽつりと呟かれた言葉におれは無言で頷いた。
おれも、いつまでもはのままでいてほしい、と心の中で呟く。
でも。
・・・いつか、おれがもう少しでかくなってよりも身長がでかくなったら、の頭を撫でながらちゃんと口に出して言おうと思う。
内緒でやくそく。
(おれがおとなになるまで、待ってろよ!)