邪魔だとかイラついてたりすると思ったら蹴る。
何か欲しいときは中指を立ててちょいちょいってやる。
構って欲しいときは貧乏揺すり。
「明王はわかりやすいね」
「あ?」
ギロリと私を睨む目、全然怖くない。
だってその目は全く怒ってないんだもの。
きっとこれは私だからわかることだと思う。
長年一番近い場所で一緒にいた私だからわかる明王のこと。
「可愛いなぁ」
「殴るぞ」
「別に明王に言ったんじゃないし」
「殴る」
「うそうそ!明王に言いました!」
「余計殴るに決まってんだろ!」
「暴力反対!!」
一通りじゃれ合って疲れた私たちはソファにくたりと寄りかかった。
殴るって言ったって明王は私に暴力なんてふるわない。
いつだって私を大切にしてくれてる明王。
みんなは知らない、きっと私だけしか知らない明王。
ああ、こうやって明王と冗談言って二人で毎日笑ってられたらいいなぁ。
そんなこと思ってたら明王が私の手をぎゅっと握ってくれた。
まるでいつでも側にいてやるって言ってるみたい。
手のひらから伝わる温かくて優しい気持ちは本当に幸せだって思う。
それを明王に言いたくなって全部言ったら、明王は顔を赤くした。
そういうとこホント可愛い。
「まあ俺は、二人じゃなくて三人で毎日笑ってたいけどな」
私のお腹にそっと触れて耳まで真っ赤にしてそういうこと言っちゃうんだもんね、本当にさ・・・
好きすぎてまいっちゃうよ。