ぼけーと、放課後になったというのに教室に居座っていた。
そんなことになったのも今日の朝、下駄箱に入っていた一通の手紙のせいであった。
俺はいつもの時間に登校し、下駄箱を開け、上履きを取り出す。
ここまではいつも通り。だが、上履きを取り出す際にひらりと何かが舞って落ちた。
「お?」
下を見れば、淡いピンク色の封筒が落ちている。
それを手に取って表を見ると、綺麗な字で『浜田良郎くんへ』と書かれていた。
・・・・・これはもしや、ラブレター?
そう思った俺は慌てて中身を見る。内容は『浜田くんにお話したいことがあるので、今日の放課後、教室で
待っていてください。』とだけ書いてあった。
緊張で指がかすかに震える。ま、まさか俺にこんなイベントがあるなんて・・・!
とりあえず、手紙をまた丁寧に封筒に入れて丁寧にバックの中に入れた。
にやけてるであろう顔を隠すのも忘れて教室に行くと、泉に案の定「浜田何にやけてんだよ気持ちわりー」と
嫌悪感丸出しの顔で言われた。
ということで、俺は教室にその手紙の主が来るのを待っている。
教室にはもう誰もいなくて、いるのは俺一人だけ。
なんだか少し寂しくなってきた。
早く来ねーかなーなんて時計を眺め扉を眺めを何度も繰り返した。
ドキドキドキ。
どんな子が来るんだろうか。
すごい可愛い子だったらどうしよう。
いやでも俺にラブレターを送るくらいだあまり期待はしない方がいいよな。うん、俺、モテないからさ。
うん、ちゃんと自覚してる。自分で言っててなんだか情けなくなってきたけど事実だからしょうがないと
自分に言い聞かせた。ああ情けねー!
すると、ガラっと何の前触れもなく扉が開いた。(!!)
俺は緊張した面持ちで扉の方を向く。
・・・あ。
「・・・」
「・・・」
「・・・どうも」
「どうも・・・」
扉に手をかけてこちらを見ているのは、去年まで同じクラスだっただった。
かと言って、俺とは仲が良かったわけではない。
ただの、普通の、クラスメイト。会話をしたことがあるかと言われたら、手で数えられるほどだ。
いや、まぁ確かには可愛いななんて見てたことはあったけど。
それからなんとも辛い沈黙が降りる。時計の音がやけに耳に響いた。
がスッと、教室に入ってきて、両手を握りながら俺の前までくる。
うわっすげー可愛いんだけど・・・。てか、ちっちゃいなー・・・。
を前にすると、何故だかだんだん顔が熱くなってきて、俺は目をあちらこちらに泳がせる。なさけねー!
「えー、と、手紙読んでくれたから、残っててくれたんだよね・・・?」
「えっ、あ、う、うん!」
軽く震えた声でが言う言葉に大袈裟に反応してしまった自分とりあえず恥ずかしい。
は俺の声の大きさにビビって肩をビクリと震わせたが、次には安心したような顔で「そっか。手紙読んでくれて
ありがとう」と女の子らしいふわりとした笑みで笑ってくれた。・・・・・やばいキュンとした。
「え、えっと、それでさ、俺に話したいことってなに?」
「あっ!うんと、ね!」
俺がそういった途端、頬がほんのり赤くなったに、期待がどんどん膨らむ。
は俺に告白、をするのか・・・!?だったらもちろん答えはOKなわけで・・・。
ごくりと唾を飲み込む。が、口を・・・開いた。
「私の友達が浜田くんのこと好きだから、浜田くんの好きな女の子のタイプを教えてください!」
「は、い?」
とりあえず、
ショックがでかい。
続編あり。