「はあ」
5限目は昼飯の後だからいつも眠くて勉強へのやる気がさらにダウンする。
けど、今日はいつも以上に気が滅入る。
先日、ちょっと気になっていた子から好きなタイプを聞かれた。
普通これを聞かれたら、もう脈ありじゃね?とか思うのだが、
それを聞いてきた理由が自分の友達が俺のことを好きらしくてそれで聞いてきたとのこと。
いやまぁ俺のこと好きって言ってくれる子がいるだけ奇跡っていうかありがたいことなんだけど・・・。
気になってる子にどうとも思われてないことが判明した今、なんとも言えない気分だ。
しかも朝からついてないし。
目覚まし時計が何故か今日に限って鳴らなくて遅刻したり、携帯忘れたり、
階段では踏み間違えて落ちるし、さらには昼飯忘れたから泉に土下座して借りることになったし(ちなみに倍返しで)
とりあえず、今日の俺は最悪すぎる。・・・・・あ、あと授業で3回も指された。
思い返せば思い返すほどついてない今日にため息しか出ない。
多分今日の運勢は最下位だろう。見てないけど。
シャーペンを回す・・・ことはできないのでシャーペンをコロコロ転がして先生の話を聞いていたら、前に座ってる田島が
くるりと後ろを向いた。(席替えは当たりだったなぁ)
「なー浜田、」
「?なんだよ田島。俺勉強は教えられんねぇぜ?」
「違う違う!勉強なんて浜田に聞くわけねーじゃん!そうじゃなくてさ!」
小声で地味にひどい田島の言葉に傷つきながら、俺はシャーペンを置いて田島の話の続きを待つ。
すると田島がぐいっと顔を寄せてきた。(うおっ!)
「な、なんだよ!」
「昨日会ってたのってカノジョ?」
「・・・は?」
「女の子と教室で話してたじゃん!」
「・・・あ、あぁ、あれか」
カノジョなのか?と目を輝かせながら言う田島には申し訳ないが、俺はそれに違うと答えた。
(何が申し訳ないのかわかんないが)
ま、そこで彼女だって答えられたら俺的にはいいんだけど、な。あーあ。
田島は明らかに沈んだ俺を見て、不思議そうに首を傾げてからそっかと言って前を向く。
少しぐらい気にしてくれてもいいと思うんだけど。
はぁとまたため息がこぼれたとき、田島がまたしてもこっちを向く。
「あの人ってさ、よくうちのクラス来てる子だよな」
「え?そうだっけか?」
「うん。そんでいっつもドアんとこでウロチョロして結局それだけで帰っちゃう」
うーん。田島の言葉に今度は頭をひねることになった。
が何の用でうちのクラスにきて・・・・って俺か。
友達のために俺に話しかけようときてくれたのかな?あぁ、だとしたらは友達思いのいいやつだな。
今更ながら、の色んないいところを知っていって、逆にへこむ。
「なぁ浜田」
「・・・なに?」
「黒板に答え書きに行かねぇの?」
「は?」
「おーい、浜田この問題の答え早く書け」
「は、はい!?」
がんばれーとにかって笑いながら言う田島を恨めしげに見ながら、
前に行くが当然今まで話してたわけだから書けるわけもなく、ダラダラと汗をかいていたら、運良くチャイムが鳴って
授業が中断された。(おっし!ついてる!)
内心ガッツポーズでにやにやしてると、先生が俺の肩を叩き「浜田、これ宿題のプリントな」
・・・ホントに今日の俺はとことんついてないらしい。
こんな調子で六限目も終わろうとしていた。田島はあれから爆睡。信じらんねー!
キョロと周りを見れば、三橋も涎たらして寝ていた。泉はウトウトはしてるがノートをきちんととっているみたいだ。
俺もなんだか少しだけやる気が出てきて、よーしやるキーンコーンカーンコン・・・もういいや。
そんなこんなの調子で六限目も終わった。今日は本気でとことん嫌な日だ。
帰りのHRを適当に聞いて、放課後になった途端、あいつらは俺に軽く声をかけてから即部活に直行。
俺もあいつらに続けて、教室を出ようとドアに向かうと、そこには昨日振りの人が立っていた。
あれ、ホントに今日はいいことなしですか?
「あ!は、浜田くん、あの、またちょっといい?」
「え、あ、まぁ・・・」
「ホント?よかった!」
そういって笑うを直視してしまった俺はとっさに両手で顔を隠した。
あぁやっぱの笑顔が可愛いなぁ。懲りずにこんなこと思ってしまうのは不可抗力だ。
だって可愛い!どうしたの?と言われて慌ててなんでもないから!と答えたはいいが・・・
俺、どうしよう。
次でラスト!