「付き合うてくれへんかな?」
「え?」
「さんのこと、好きなんや」
「あ、え・・・わ、私?」
「他に誰がおるん?」
「あー・・・えぇと、さん違いとちゃうん?」
「なんでそうなるん?俺はさんに言うとんのやけど」
「・・・し、白石くんやんなぁ?」
「おう」
「たしか、テニス部部長でよぉモテる言う・・・白石くんやんなぁ?」
「よぉモテるかは知らんが、テニス部部長やね」
「・・・私、言うねんけど・・・」
「知っとる。知らんかったら告白なんかしとらんで」
「えーっと・・・ホンマに私なん?」
「なにが?」
「白石くんが言う、て」
「なんや疑り深いなぁ・・・そうやで。俺が言うとるさんは君や。図書委員でいつも一生懸命に仕事しとるさんや。 一番奥のカウンターでよぉ本を読んどるさんや」
「・・・やっ、でも、私と白石くんクラス違うやんか・・・!そ、それに喋ったこともあらへんのに、せやのに、ど、どして?」
「(動揺しまくりのさんも可愛ぇな)喋ったことならあるで。さんに会うために本を借りに行ったとき俺勇気出してさんに話しかけてん」
「え?」
「あとは遠巻きで見とったなぁ・・・さん全然見飽きたりせぇへんから。めっさおもろかったで」
「えぇ!?」
「他に何か質問ある?あ、ちなみに絶対さんへの告白は取り消さんで」
「・・・・・・な、なんで、私、なん?なんで?」
「んー・・・気づいたら目が離せんほど好きになっとたからな・・・。なんで言われても、・・・まぁ確かなことはさんやないと、ときめかんことだけやな!」
「はっ、ぇ!?」
「もうな、ダメなんやって。俺、さんのことしか頭にないねん」
「な、ななななにを言っとるん・・・!?」
「ははっ、どもりすぎや!やっぱ、おもろいなぁ」
「なっ!」
「ぷっ、今度は顔が真っ赤や!」
「うぅっ、見、見んといて!」
「えーなんでや?」
「はっ、恥ずかしいから・・・!」
「・・・ホンマかわええな・・・」
「!!か、かわえないよ!!」
「かわええよ。むちゃくちゃな。あ、せや、結局どうなん?俺と付き合うてくれる?」
「むっ、無理やって!私と白石くんは似合わんて!」
「(むっ)似合わんってなんやねん。似合う似合わんとか関係あらへんがな」
「あるよ!わ、私は・・・普通の子やん?せやけど、白石くんは・・・普通やないやん・・・・」
「普通やないって・・・ひどいんやけど・・・俺ってさんにそない風に見られてたん?」
「(ハッ!!)っちゃ、ちゃうで!そないな意味で言うとらん!!その、あれや!私と白石くんは月とスッポンちゅうかやなぁ・・・!!」
「・・・俺はさんのことめっちゃかわええ思うねんけど。俺とさんが月とスッポンなわけないやん。」
「えぇ!?ないない、ありえへん!!白石くんにはもっとかわええ子のが似合うと思うで!!」
「もっとかわええ子なんて以外おらんよ」
「おるよ!」
「おらん」
「おるて!」
「おらん。絶対おらん。これは譲らんで」
「〜〜〜っ!けどっ、あんな、私なんかと付き合うたらな、きっと白石くん笑われんで・・・!!」
「は?なんで?」
「だって・・・かっこいい白石くんが私みたいな地味な子と付き合うなんて・・・、みたいなですね(そや・・・私みたいな奴は、ホンマに白石くんには似合わんのや・・・)」
「・・・・・・」
「・・・・・(お願いやから、これで諦めて・・・!)」
「別に、ええよ。」
「・・・・・え??(今、なんて・・・)」
「せやから、別にええよ。他がなんと言おうと知らん。笑われたって別に・・・・・・・あ、待てよ。むしろそっちのが好都合やん。 さんの魅力を知っとるのは俺だけでええからなぁ」
「え、・・・えええ!?」
「うん、全然構わへん!そんで、まだなんかあるか?」
「あー・・・その、じゃあ、えっと、」
「付き合うてくれる?」
「いや・・・その、」
「?なに?」
「私、白石くんのこと・・・好きやけど、そういう好きやないっちゅーか・・・あの」
「・・・・・」
「・・・・ご、ごめんなさい!!」
「・・・・せやな・・・そういう答えもあったなぁ。まぁ、ええわ。うん。 こっからが本番なんやもん」
「・・・は?」
「絶対、俺はさんのことは諦めるつもりないで。」
「・・・・・ちょっ、え?」
「とにかく俺の気持ちを知っとってもらいたかっただけや。」
「あ、のー・・・白石、くん・・・・?」
「安心せぇ。
さんは必ず俺のこと好きなるで。」
「え・・・?」
彼はニヤリと笑ってそう言い放った。 それは本来、ときめく告白なはずなんやけど、私にはただの死刑申告にしか聞こえんかった・・・。 それから彼は爽快に私の前から去っていった。 ああ、なんだか、私とんでもないことになってきたっぽい・・・?