「俺・・・今日は部長に言わなあかんことがあったんで来たんすわ」
「へえ・・・それは何なん?」
「謙也さんにちょっかい出すんええ加減諦めてくれません?あの人は俺のもんなんで」
「別にええやろ?謙也がお前のもんかて、謙也にとっては俺は友達なんや。普通に遊んだり話したりすんのは普通のことやで?」
「ちゃうやろ・・・確かに謙也さんにとって部長は友達や。せやけど、あんたはそんな風には思ってへん。あんたは謙也さんのことを・・・」
「財前、」
「・・・なんすか」
「俺は謙也が好き「ぃったあああああ!!!なっなにするんすか白石さんよ!」
「いや、なんやわからんが手が勝手にを殴れと・・・」
どんだけ!まじどんだけ!
私の頭の中で綺麗に描かれていた物語は、白石の高速チョップにより儚くも散っていった・・・・・・まじいった!
セブン!
はいっ!まぁそんなわけで先ほど展開してた物語は私が最も愛するカップリングの話。
テニプリで一番好きな組み合わせが光と謙也なんだよねー。
もうさ、二人くっつけば私ものすごく幸せになれるんだよね!
でもね、その二人の障害が白石ってのもものすごく萌えるんだよねー!!
光×謙也←白石とかまじ神の方程式じゃね?みたいな!あはっ!
まぁ、むしろさ!謙也受けならなんでもお「部長、さっきからこの人なんや気色の悪い顔してんのやけど、誰なんすか?」
「・・・ちょ、気色悪いって言われたよー!!」
「おーよしよしキモイキモイ」
「白石ィ!?」
確かにね!妄想しすぎで顔緩んでたり、もともと美少女系な顔はしてないよ!?
だけど気色悪い顔とか言われる筋合いないんですけどー!
つぅかお前等が美形すぎなんじゃいこんちきょー!!
初対面である光に言葉の暴力を浴びた私は白石に助けを求めるが笑顔でバッサリ捨てられた。
しかも今の私の状況おかしいんだけど!
リビングのソファに白石と光が座ってて、その前に私が正座。ちょ、これどういう状況?
いまいち自分の状況がわからず頭にはてな浮かべながら目の前の二人を見れば光が白石に何かを渡していた。
え、あれ謙也関連のなんか?そうなの?だったら私も拝みたいんですけど!
光登場でもうなんかテンションマックスで自分の妄想が止まることなく繰り広げられていき顔が盛大に緩む。
けど白石くんが光と話しつつ横目でホントに真面目に冷たい+蔑んだ目でこっちを見てくるのでとりあえず私ちゃんと自重しよう。
いそいそと崩れかけてる正座の体勢を直し、二人を見つめる。
・・・目の保養すぎる・・・。
そ、そんなことより・・・光ってば漫画より美形じゃね?おかしくね?普通漫画の美化されてね?これ、ちょ写真撮りたい!もち高画質なデジカメで!
むふむふ、色んな欲望に体がそわそわと動きまたもや顔が緩み始めた頃、突如白石がぽんと手を叩いて私を指差した。
あ、このやろー人に指さしちゃいけないぞ!
「あー言い忘れてたわ・・・財前、この・・・少しばかし残念な頭したこいつは言うて・・・あー俺の従姉や従姉」
「・・・従姉・・・へぇずいぶんと・・・まぁ世界は広いっすからね」
「え、なぁに?光くんなぁにそれどういう意味?」
「あれ、俺の名前知って・・・まぁけど、一応ちゃんと言っときますわ。俺、財前光いいます。別によろしくはせんでいいです」
「ええええええ!?そっそこはよろしくしてよ光くん!あ、光と呼んでもいいですか?」
「いや・・・この先会う予定もない人なんで。あと光で別にいっすよ。」
「いやいやいやいや会う予定作ってよ!つか白石の家なんだから遊びに来るでしょ!?そんとき毎回会うでしょ!?そしたら今の内から仲良くしとこ!あ、あざぁす!」
「会うだけやったら別に仲良くせんでもええやろ。ちゅうかと仲良うするとか・・・ハッ!」
「鼻で笑うなってその鼻で笑った意味はなんですか白石ィ!君はなんでさっきから私にそんな攻撃的!?なに!?なんなの!?」
私が立ち上がって(若干足痺れてる)そう白石に抗議すれば、ぷいと顔を逸らされた。
なにこの子、反抗期・・・!?
白石の従姉設定はすごくいいし、すごくおいしいと思う!
だが、前の説明余計でしょ!残念な頭ってなに!?
白石だって充分残念な頭してると思うけど!?中学生で絶頂とか言っちゃいけないと思います!はい!
このやろー!的な意味で「このやろー!」って言ったら「なんやねんこのやろー」って返された。
負けじと私も「なんやねんやないねんこのやろー!」って言ったら「真似すんなやこのやろー」と返されたので
またまた私が言い返そうとしたら、黙り込んでこっちを見てる光に気付く。
え、なに?ガチで照れるんですけど・・・!
「珍しいこともあるんすね。部長が女とこないな風に低レベルな会話すんなんて・・・」
「女て・・・従姉言うたやろ。それと低レベルて・・・が低レベルなだけやで?」
「なるほど」
「なるほど!?」
「それに普段かて女子とは普通に話とるやないか。何が珍しいっちゅうねん」
「ふーん・・・まぁそれもそっすね」
え、え、え?なになにどういうこと?
白石ってあんまり女の子と喋ったりしないの!?
それってやっぱりホモ?白石ってホモなんですか!?
きゃはって笑いが漏れたら、すぐさま白石に思いっきり睨まれたので口を噤むとしよう。(後が怖すぎるからね!)
そ、そんなことより・・・これを機に光ともっと親密になりたいなとか思っちゃったり・・・。
こんな、ね!チャンス、ね!なくね!?みたいな!
チラッと光を見ると、携帯を開いて何かをしてる・・・と思ったらソファから立ち上がり一言。
「ほな用事も済んだんで俺もう帰りますわ」
ちょ、私の計画即崩れた!いくらなんでも早すぎでしょうが!
「え、え、え、帰っちゃうの!?」
「帰ります。部長、また明日部活で。さんもまた会えたらいいっすね」
「あ、うぇ!?そこはまた会ってよ!えーもうちょっと居ようよ!」
「はいはい気が向いたらと部長が家にいれてくれたら。それに今日見たい映画あるんで帰ります」
「えー!こんの薄情モンめ!お姉さんともっと仲良くなりたい!とかないわけですか!?」
「ハッ」
「何故鼻で笑ったんですか今」
「あーもう、あんま我侭言うたらあかんよ。、ほら財前にきちんとさよならて言い」
「なぁに、今度は園児扱いですかこんちきしょ!」
私の頭をぐっしゃぐしゃにかき混ぜてる白石を睨むと、今度は頭をわしづかみされた(!)
いだだだだ!ちょ、なんか白石くん今回暴力的すぎる!『いち』での優しさと爽やかでできていた彼は今どこに!?
必死に白石の手を頭からどかせようと私は両手を使って白石の左手と奮闘。・・・隊長!ビクともしません!!
しばらくそんなことをしていると、小さく噴出す音が聞こえた。
ん?と思って光を見ると、微かに肩を揺らしながら笑ってい・・・ええ!?
「しししし白石くん!笑われてるよ!てか光笑ってる!萌えるよ白石くん!」
「燃える?まぁはおもろいからな」
「え?別に私普通じゃね?」
白石とまた軽い取っ付きあいしつつ、光を玄関までお見送り。
その最中も光は笑っていた。き、貴重すぎる!
け、謙也にはいつもあんな顔見せてんのかな!なぁんて最後に妄想。やべっ涎出そう。
上機嫌で白石より先にリビングに戻り、さっきまで光が座っていた場所に腰を下ろす。
いやぁうん!短い時間だったけど光に会えて幸せだったなー!
こりゃ今日はいい夢見れるぞ!
ふふんと鼻を鳴らしたところで、白石が戻ってきた。
そして、一言。
「あ、思い出したんやけどな俺明日学校やわ。せやから留守番頼むな?」
「・・・え?」
幸せで浮かれまくってた思考が急停止した。
それって・・・ん?あれれ?てことは私明日から・・・一人ぼっち系?
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