バァンッ!!!
「メッリークリストマスー!」
またか。ため息をつき、ものすごい音をたてて開いた扉を見やる。
そこにはなぜかサンタの格好をしたが満面の笑みで立っていた。(可愛い・・・)
そして後ろには・・・バカでかい箱。・・・うん、なんだアレ。
その箱を見た瞬間、冷や汗が僕の背を通る。・・・鳥肌までたってきたよ。
未だ開いている扉から冷たい風が、わずかだが入ってきた。思わずブルっと身体を震わせると、がそれに気づき素早く扉を閉める。
(げ、箱まで中に入ってきちゃった・・・)
「雲雀さん!今日はメリークリストマスですよ!」
「ト余計だから。ちゃんと抜きなさい」
元気よくタタタッと座っている僕のとこまで走ってきて、机に手をつき身を乗り出してきた。(顔近いんだけど)
僕が指摘したことには首を可愛らしく傾げてから、悩むように口元に手をやる。(いやだから顔近いんだけど)
「・・・メリークリマー!」
「ちょっと。なにスまで抜いてんの。明らかおかしいでしょ。」
「もううっさいなーいちいちいちいちいっぢ!」
「噛んだね」
「しね雲雀さん」
「どうしてそうなるの」
「そうだ!クリスマスと言えばケーキとシャンペンとトナカイ!」
「よし、まず何から突っ込もうか。やっぱり一番初めはシカトについてかな」
「だからうるさいよ雲雀さん!」
「だからまでの過程がないと思うんだけど・・・」
「ねちいちうるさいの!」
「なに語」
「ねちねちいちいちの略語」
「ワォ新たに言葉を生みやがったこいつ」
えへへっすごいね私!新たな日本語生んじゃったよ!と誇らしげに言うに対し、うん、たしかにすごいよ。だって馬鹿語生んじゃうんだからね。と返す。
その僕の言葉には盛大に顔を歪めて、僕の手元にあった鉛筆の芯を盛大に折った。なんて子だ。
それからは思い出したかのようにハッとしてから、またもや扉の元へ走っていく。(・・・鉛筆けずらなきゃ・・・)
「そうそう私いいもの持ってきたんですよ〜!忘れてた!」
「え、・・・・・・あ、なんか不吉な予感しかしないんだけど。どうしてだろう、どうしてかな」
「とってもいいものなんですよーむっふー!」
そういいながら、先ほど見た瞬間不愉快な気分になった箱をズルズル引きずって僕の元へ持ってこようとしている。
いや、これはもう、なんか、危険でしょ。
「よいしょ!よいしょ!(ズルズル」
「ちょっ、やめて。これ以上僕にそれを近づけるな。僕の全神経全細胞がそれを拒否してるから、絶対ダメ」
「はぁ?なに言ってんですか、もー!(ズルズル」
「やめろって言ってるでしょ。あと、まさかとは思うけどその箱開けたりしないよね?」
「え、開けますよ」
「え、ダメだって。呪いかけられそうな予感がするから」
「どんな予感だ」
「とにかく開けちゃダメ」
「えーそしたら死んじゃいますよー」
「死んじゃうって・・・ホントに何が入ってんの?」
「そりゃ開けてからのお楽しみっすよ!」
「ダメだから。開けるの禁止」
「そんなことしたら死んじゃいますってー」
「死なしときなよ」
「えー」
不満そうな顔をして、歩みを止めた。その瞬間、
ガタガタッ
え。
「ダメ、ダメだから。絶対アウトだから。動く時点でないだろ、マジで。うわ、鳥肌たった」
僕の元まであと3mのところで、ありえない現象が起きた。
あの気持ち悪い感じがする箱が、動いた。口元が引きつるのを感じながらに言う。が、
はニコっと笑ってからまた箱を引きずりながら歩いてくる。
「ちょっ、ちょっ、」
「なんですか?」
「何回言ったらわかるの?近づけるのダメって言ってるじゃない」
「だって近づかなきゃ開けられませんよ!」
「開けなくていいから」
「でもー」
「でも、じゃありません」
最後にもう一度近づけるなといえば、はしょんぼりした感じに立ち止まった。(軽く罪悪感)
しかしあれは仕方ないと思う。だって、動いた。激しくキモい。
ふぅと一息つくと、僕は改めてイスに座りなおした。すると、が学校の書類が山ほど入ってる本棚へと向かう。
たどり着くと、何を思ったか本棚の下の棚の取っ手に手をかけた。でもそこは暗証番号を知らないと開けられないので、別に平ガコッ・・・あれ?
「髑髏ちゃーん断られちゃったよー」
「・・・・・は?」
開くはずない扉が開き、が中に向かって話し出した。驚きで固まっている僕をよそに、あのクソパイナップルと同じ髪型をした女が、出てきた・・・え?
「どうしたらいいかな?」
「大丈夫、雲雀恭弥はあなたに弱いからもっと詰め寄って言えば平気だから・・・」
「・・・・・・いや、なに、どっから沸いて出たのきみ」
予想外の展開すぎるんだけど・・・軽く今の状況についていかない頭で今起きたことを整理する。
えっと、本来なら学校の重要な資料がたくさん入ってる暗証式の開くはずがない棚から、あのクソパイナップル頭をしたクロームが出てきた。
うん、おかしいよね、すべて。少しだけ整理した内容から、特に疑問に思ったことを口に出すと、クロームは悦った顔をしてに抱きつきながら僕を見る。(・・・むっ)
「雲雀恭弥、私はねのいるところならどこだって沸くわ・・・」
「わー髑髏ちゃんすごいね!まるでストーカーみたいだ!」
「惚れて良いよ、」
「なにとんでもないこと言ってんの」
・・・なんでストーカーと言われて嬉しそうに頬を染めながら勝ち誇った顔でこっちを見るの。かなり腹立たしいだけど。・・・は半笑いでこっちを見るな。
→→→後編へ続く