「よっ」
「げ。」
やっと学校が終わって今から家帰って寝ようと思ってたのに、とても厄介な人物 に会ってしまった。その人物とは私の幼なじみでお隣さんかつクラスメートであ る沢田綱吉の最近できたおかしな知り合いの中の一人、ディーノさんという人で 、私としてはそんなおかしな人とはあまり仲良くしたくない一人なわけで・・・(だって さ、いい年こいてマフィアのボスなんだとか言う人ないっしょ!どこの幼稚園児よ!いや幼稚園児も そんなこと言わないけど)
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「ええ、そりゃもちろん」
「なんかまた一段と可愛くなったな」
「ありがとうございます」
「今帰り?」
「ええ、そうですけど」
ああ早く帰りたい!こんな会話今すぐ断ち切って帰ってしまいたい!可愛くなっ たなとかどこの口説き文句!?ってそれもどうでもいい!額に手をあてため息を つきながら一人葛藤してると、ディーノさんが突然私の腕を掴んだ(!)えっ、え ?掴まれた腕とディーノさんを交互に何回も見る。なに、え?
「今帰りなら俺が送っててやるよ!」
「はい?」
「ちょうどロマーリオもいねぇしよ、二人っきりのドライブを楽しめるぜ!」
「えっいやいや結構です!」
私が掴まれた腕を振ってディーノさんの手を落とそうにもがっちりと掴まれてい て、まったく腕が動かない!(こんちくしょ!)ぐいぐい引っ張られて向かう先は 真っ赤なスポーツカー。いっやー嫌だ嫌だ嫌だああ!あんなのに乗って知り合い に見られた日にゃ絶対もうその知り合いに会えない!つか、ディーノさんといる とこも見られたくない!(この人、頭おかしいけど顔はいいんだもん!だからミー ハーな友達に見られたら最後拷問しか待ってない!あの美形紹介しろやぁ!!と飛び掛ってくるに決まってる!!)
「ディーノさーん、私車弱いんですよー!!」
「安心しろー俺の運転は安全運転だから」
「(んなの当たり前だろ・・・!)」
どうあってもこの人は私を放してくれないらしい。腕に力を入れるのを止め、素 直にディーノさんの後ろを歩く。やっぱ人間諦めが肝心ってね!にこにこにこ、 何が嬉しいのか知らないけど、ものすごい笑顔で私の腕を引くものだからきっと これから楽しいところに連れて行ってくれるんだろうなって思った。 てか、そうだと信じたい。
止まらない止まれない、ノンストップ行きますよ
(ひぃぃぃ!!ちょっディーノさんスピード出しすぎですよ!!)(あ、わりぃ!ブ レーキと間違えた!)(ひぃぃぃ!!も、降ろせえええ!!)