「あ、ツナだ」

「げ」

「げ、ってなんだよぉツナぁ!」

「ひっ、ちょっ抱きついてくるなよ!」





俺を見つけるなり、猛突進してきたのは同じクラスのとは何の因縁か、小学校から同じクラスだった。 そんなこいつはいくつになっても、俺に抱きついてくる。 いや、飛びついてくる・・・? もう中学生だっていうのに、はっきり言って困る。 対応に困る。





「なんでよぉ別にいいじゃん!私とツナの仲でしょ!ほら、このカードあげるよ!」

「いらないよ!お前しかもこれこの前ダブったいらないとか言ってきたやつと同じだろ!また押し付けるのかよ!」

「・・・・・・そんなこと、まぁ、ぶっちゃけあと12枚くらいダブってんだよね」

「もう買うの止めろ!」





ぐぬぬ、一生懸命俺にへばりつくを剥がそうと試みるが・・・なんだこの馬鹿力ありえないんですけどぉぉぉ!! ちょっしかも、さり気なく俺のポケットにさっきのカード突っ込みやがった! ちょっ、ホントにもう・・・!





「あー離れろって!」

「やーだー!今日はツナに迷惑をかけたい日なんです!」

「意味がわからない上にとてつもなく最低な日だな!」

「ツナ好きだよ!」

「嬉しくない!」

「二次元の次に!」

「もう喋らないで下さい・・・!」





泣きそうな、俺。マジで泣きそう。 今日この日、こんなにも獄寺くんがいてほしいと思った日はなかった。 さらになんで今日に限って山本までいないんだろう・・・! さらにさらになんで今日に限ってリボーンもいないんだよー! 軽く羽交い絞め状態の俺は本当に為す術がなくされるがままに、苦しめられてる。 頼むから誰か助けてくれ・・・。





「ねーツナー」

「な、なに」

「今日さ、私の家で久々に対戦ゲームしませんか?」

「え、やだよ!」

「え、なんで!」

「だってゲームに負けると俺のこと殴るじゃん!」

「ばっ、殴らな・・・・・いよ、多分!」

「今の間と多分で完全に俺の体が痣だらけ確定になった!絶対行かないからな!」

「えー大丈夫だよ多分!」

「多分つけるなー!」





まぁまぁ、と言って俺の首をは腕を回してぎりぎりと締め上げてきた。 ちょっ、マジで死ぬ! ふごっふごっとの腕を叩いてギブを訴える。 すると、珍しくいとも簡単に拘束を解いてくれた・・・。 あ、れ?本当に珍しい。 咳き込みながら、後ろにいるの方に顔を向ければ、なんともいい笑顔、もとい嫌な笑顔・・・。 俺の背中に冷たいなにかが走った。





「え、な、なに?」

「ね、ツナ!私今ツナが嫌がったからすぐやめたよ!」

「へ?あ、うん、そうだね・・・?」

「だから、私の言うこと聞いてくださいな!」

「意味わからん!!」





ホントもういい加減にしてくれないかなこの子! 言ってることハチャメチャだよ! いまだにこーと笑ってるからダッシュで逃げようと足に力を込めたが、 ・・・・・遅かった。





「ツーナー!どこに行くのさ!」

「帰るんだよ!」

「許さん!今日は付き合ってもらうぞー!」

「わああああ離せー!!」









結局、この日俺は、夜遅くに無数の傷を負って家に帰るのであった。














隣のヲタクちゃん

























(なんか今日機嫌悪くない?)
(・・・別にー)
(そういえば、いつも帰り雲雀さんと一緒じゃなかったっけ?)
(・・・喧嘩した)
(え、マジで!?なんで!?)
(・・・ダブったカード押し付けたら、何枚寄越す気だ!ってキレた)
(・・・いや、そりゃキレるよ・・・)