俺、今泣きそうだ
久しぶりに泣きそうだ
「ボス・・・・」
「ごめんなさい・・・」
「これは、いったい、どういうこと、なんですか?」
笑顔のが、泥だらけの俺を指差す
そう笑顔・・・笑顔だが、目は全然笑ってない
+仁王立ちだ
こめかみ付近には・・・なぁ、あれ俺の気のせい?気のせいだったら嬉しいんだけど・・・
あ、青筋が、浮かんでる・・・!(ちょーこぇ!!)
そんな不機嫌MAXなの前に正座している泥だらけの俺(ダサいことこの上ない)
もう、冷や汗がなんのって・・・だくだくだ。そして、なによりも泣きそうだ
「ボス・・・?聞いているんですか・・・?」
「っお、おう!聞いてるぜダンッ!!!・・・・ます・・・」
「じゃあ、早く説明してください」
「・・・・」
あぁ、どうしよう。トイレ行きたくなってきた・・・!!涙
俺の返答が気に入らなかったのか、は床を盛大に足を踏み鳴らした
この状況は相当怖い
マジでヤバイ
冷や汗がダラダラ流れるのを感じながら、俺は重い口を開いた
「えっと、ツナの家に行ってきたんだよ」
「えぇ、それは知っていますよ。それで、なぜ、ボンゴレ十代目のところに行っただけでそんなに泥だらけになるんです?」
「や、それは、その」
「なんです?」
「その、な・・・そのー・・・」
「はい」
「ツナんとこのチビと遊んでて・・・」
「・・・」
「公園の砂場で城作りをしてたら、夢中になっちまって・・・」
「それで、汚れているのですね・・・。」
そこまで聞くと額に手を当て、は深いため息をついた
なんだか、ものすごく申し訳ない気分だ
公園の砂場で
ついつい水を使って本格的に作ってたら、いつのまにか泥だらけになっていた
まぁ、そんな自己犠牲をして素晴らしい城ができあったわけだが(チビ達がすごい喜んでいたのを今でも思い出せる・・・完成してすぐランボが見事に破壊したのも鮮明に思い出せる・・・)
ちょっとそんなことを思い出してたら結構気持ちが沈んできた・・・
俺の3時間・・・一瞬にして崩れていった・・・
切ねぇなぁー・・・なんて思ってたら、目頭熱くなってきたので、慌てて指で押さえる
「?ボス?」
「あっ、いやっ、なんでもねぇ!」
「あーとりあえず・・・そうですね・・・そろそろ飛行機の時間だし・・・。」
は困ったように眉を下げ自分の腕時計を見た
俺も自分の腕時計を見る
もうここから出ないと間に合わない時間になっていた・・・
うわっ、やば・・・!!と思いに視線を戻すと、ニッコリと笑うと目があう
その笑顔はとても綺麗なのだが、なぜか・・・冷や汗がまた流れ出す
「え、えっと、・・・?」
「ボスが今からお風呂に入ったら確実に間に合いませんよね?」
「まぁ、そうだな・・・」
「替えの服が入っているカバンは先にあっちに送ってしまってないですよね?」
「昨日のうちに荷物は全部送ったからな・・・」
「ならば、仕方ないですね。このまま、飛行機に乗りましょう」
「そうか・・・ってえ!?」
「さ、早く行きましょうか。ロマーリオが下でチェックアウトしてますので」
「お、おい!このままって、このままか!?」
「えぇ、当たり前でしょう。もう時間が時間なんです。仕方ないでしょう?」
「うっ・・・」
「ボス、早く出てください。でなければ私が出れません」
「・・・」
はスタスタとドアの方へ行き、ドアを開け俺に出るよう促す
もう一度、腕時計を見る
たしかに、時間がもうやばい
このままじゃ・・・イタリアに帰る便が行っちまう・・・
はっきりいって風呂に入りたいが、今はそんなこと言ってられない・・・
仕方ない・・・この泥だらけのまま飛行機に乗るか・・・っ!?
そう思い立ち上がろうとした直後、鋭い痛みが俺の脚を襲う
どうしようもないくらいの痛さになにもできない俺
黙って床をバンバン叩いていると、が不思議そうな顔でめんどくさそうな顔で俺の傍までやってきた(おまっ!)
「ボス・・・なにやってるんですか。出てくださいよ」
「っ!ちょっ、っ!!」
「は?なんです?」
俺は何も言えずとにかく頭を横に振る
はそんな俺を見て、考え込んだあと、容赦なく俺の脚を掴んできた(!!!)
「っぅー!!いってぇー!!」
「あぁ・・・なるほど・・・脚が痺れたんですね・・・」
の言った言葉に頭を今度は縦に振る
さっきまで正座をしていたため、俺の脚は完全に痺れていた・・・!!
そのせいでまともに立てない、てか、立てない俺を見て、
盛大にため息をつきは俺に背を向け
「しょうがない・・・ボス、どうぞ」
しゃがんで・・・・・・・・・あ、れ?
これの体勢は・・・
「えーっと、」
「早くしてください。間に合わなくなりますよ!」
「え、あ、お、おう」
キッと俺を睨みながら言うので、素直におんぶされようと・・・ってダメだ!
「い、いや、さすがに無理だろ!俺をおぶるなんて・・・!」
「大丈夫です。私の体力なめないでください。そして、早くしてください。何回言わせる気ですか?怒りますよ」
「あ、すみません・・・」
怒りますよ、の部分で声のトーンが下がったのを聞いて謝らずにはいられなかった(いや、それ、もう怒ってんじゃねぇのか・・・?)
渋々、の首に腕を伸ばす(伸ばすまで散々、俺は重いぞ、俺はそう簡単には持ち上がらないぜ、絶対おんぶできねぇって、とか言ってたらに撃ちますよと満面の笑みで言われた。)(・・・)
「んっと!」
「お、おい・・・無理ならいいぞ。」
「いえ、大丈夫ですよ」
思ったよりも簡単に俺を背負った。
軽くショックだ・・・
涼しい顔をして、は俺を背負いながら扉を開ける。
途中、俺の脚を部屋の角にぶつけながら。(その度、俺は呻いていた)
そしてロビーに行こうとエレベーターを待っているとき、通りすがりの奴らに見られたのは言うまでもない
なめないで!!!
(本当は、すごく重いけど、女だからって、なめられるのは、絶対嫌!)(うわー・・・俺ってそんなに軽いのか・・・?ここまで平然とやられるとへこむんだが・・・)
この後ロビーについたら、ロマーリオ達に爆笑された。(ちくしょう!)