「雲雀さん、」

「・・・」

「雲雀さーん、」

「・・・」






ソファーでだれているの呼びかけには応じず、黙々と書類整理
そしたら、は諦めたみたいで大人しくなった。
これで、紙が擦れる音しかしなくなった



と、思ったのだが、
カチカチと違う音が聞こえ出す
なに、と思ってを見ると
スカートなのにだらしなく脚を広げて携帯をいじくっている



?あれ?
・・・・・・おかしい
目を擦ってみる
それからの手をよく見てみてもやっぱりその手には携帯
携帯・・・うん?
あれ?





「・・・、それなに?」

「携帯ですよー」

「・・・携帯、なんでもってるの?」

「ん??あぁ、昨日買ってもらったんですよー!!へへへっいいでしょう!!」






ものすごい上機嫌で僕に携帯を見せてくる(この前のなんとかカードなみにうざい)
「お母さんに今度から障子を破らないかわりに携帯を買ってくれって言ったら買ってくれたんですよ!」と笑顔で言う(なんて子だ)





「えへへー!画面はキラさまや猫や三橋くんなんです!!ちょお萌え!」

「(三橋くんってだれ。ここにそんな奴いたっけ?あとで探そう)へぇ、ふぅん、おめでとう」

「それで、今獄寺くんの着うたなにがいいか迷ってて・・・あ、ちなみに山本くんはタッチツナはキューティーハニーです!!」

「つっこみたいことは結構あるけど、それは無視して、えっと、なに、きみ」

「改めてそれを聞きますか!私、(14)並盛中学ピッカピカの2年生!クラスは2年A組!しゅ「もういいうんもういい」

「えー!?最後まで言わせてくださいよ!!」






そうだった
にまともな話が通じるわけなかったんだ
忘れてはいけない、彼女の異常さ・・・
僕は大きくため息をつくと、未だブツブツと自己紹介を勝手にしてるの向かいのソファーに腰掛ける





「それで?」

「はい?なんですか?あ、やっぱ私のこと自己紹介最後まで聞きたかったんd「違うから」

「・・・雲雀さん死ね」

「なに最悪なこと言ってんの」

「・・・溺死」

「あ、なに。これ喧嘩売られてるのかなもしかして。ねぇ、そうなの?そうなのかな?」

「暴力反対ー!あ、獄寺くんのムーンライト伝説にしちゃお






今の会話でどうしてそういう結論になるのだろうか(真面目に。すごく真面目に)
僕は時々、の脳を見てみたいと思う。切実に
・・・・・・あ、どうしよう。やっぱ見ちゃいけない気がしてきた。



うんダメ。と一人納得していると、急に静かになってたの方から機械音が聞こえた
なんだろう?そう思ってを見つめたら
は左手に携帯を握り右手でカチカチ数回ボタンを押してる(あ、ダサい)
それから「よしっ!終了!明日獄寺くんに教えてあげよーう」と携帯を高らかにあげて、嬉しそうにしてた(なんかムカ)
なんか投げつけてやろうと思った直後、なんともいえない曲が流れ始めた



プリキュアプリキュアプリキュアプリキュア♪
プリティでキュアキュアふたりはプリッキュア〜♪





「あ、草壁さんだ」

「・・・・・・・え、それ、草壁?」

「そうですよー!いいでしょー!」

「いいどころか不愉快すぎてやばいよ






信じられない
あの草壁の受信音があんなのって・・・
いい気味だ。

は携帯を数秒凝視して打ってから、携帯を閉じた





「なに、なんてきてたの?」

「『なんで貴様が俺のメアドをしっているんだ。今すぐ消去しろ』って。ひどいですよねぇ。」

「ふぅん。それできみはなんて返したの?」

「あ、なんか雲雀さんこの話題食いついてきますね!そんなに私のことが気になりますか!

「黙れ。」

「ひどい!まぁ、教えてやらないことはないですよー!」

「咬み殺そうか?」

ノーセンキュー。すみません、ウソです。えっと、ですねー
 『絶対消さないわ!私の心のメモリーにちゃんと刻んだからv』って送ってみました☆」

「・・・・可哀想」

「え、流れ的にどっちに言った今」






はぁ、とに聞こえるようにため息を吐くと
はハッとしたように、僕に携帯を突きつけてきた
今度はなにを思いついたのだろうか





「はい、どうぞ!」

「・・・なに?相変わらず主語がなくて意味わかんないんだけど。えっと・・・あぁ、もしかしてこれ壊せって?」

ちっがうよバカ!雲雀さんのメアド教えてください!」

(バカ・・・)どうして?」

「知りたいから!そして雲雀さんとメールしたいから!」






ちょっと、キュンときた
僕とメールしたいって・・・なんて可愛いこと言うんだろうこの子は
それならいいか。と思いから携帯を受け取り
カチカチと僕のメアドをの電話帳に打ち込んでいく





「これ悪用したら本気で咬み殺すから」

「大丈夫ですよ!獄寺くんに教えるだけです!」

「したら嬲り殺す」

「ごめんなさい。あなたが言うと冗談に聞こえません」






一応に釘をさして、僕は入力をし終わった携帯をに返す
ふぅと一息ついて、僕がコーヒーを飲もうと立ち上がったら
ふいに机の上に置いてある僕の携帯が震えた





なに?と思って未だ震えている携帯に手を伸ばす
ディスプレイにはメール受信。しかしそこに映し出されているのは、知らないアドレス
ますますわけがわからなくてそのメールを開いた











それを見てすぐさま電話帳へ登録してから、へ返信











こんなに近くにいるのにメールするってバカみたいだけど、
が喜ぶならいいかなと思い、送信ボタンを押した



おぅれはジャイアーン!
がぁきだいしょぉう!





・・・・・・・・・・・・・





「あ、雲雀さんから来た!!わぁい!返信ありがとうございますー!」

ねぇ、ちょっと、待って。あれ、僕今変なの聞こえた。」

「はい?変なの?あぁ、野球部の掛け声?何言ってんだ!全然変じゃねぇよ!野球部の掛け声とか萌えるよ!

黙れ。それじゃねぇよ。そうじゃなくて・・・僕の受信音なににしてんの?」

「え、ジャイアンですよおぅれはジャイアァァァァン!!!

少しは名前伏せようよ。いやその前になんで?」

「だって、雲雀さんは並盛のガキ大将じゃないですか!だからねほら、ピッタリ!」

「・・・・」





なんて子だ。
僕をあんな下等ないじめっこと一緒にするなんて
僕もからのメールは変な曲にしてやろうと思ったけど、生憎僕の携帯の曲は校歌しか入っていない(・・・)
・・・しょうがない・・・校歌にしよう












・・・でもなんかやっぱ悔しいから校歌は校歌でもあの鳥が歌った校歌にしてやろうと思った僕だった









(メアドじゃなくてケー番聞けばよかった)(そしたらいつでもきみの声が聞けたのに)