某月某日。
***
昨日とは打って変わっての快晴。
そりゃ気分最高!
さらには、昨日・・・なーんーとー大好きな大好きなシズくんと相合傘をしちゃったから幸せで仕方がない!!
思い出せば緩む頬。えへへへ。
なんていうか、今日シズくんに会ったら絶対抱きついてしまいそうだ。
すっごい力持ちなのに、シズくんって結構腰細いんだよねぇ・・・ああっそこがまたいいんだけどね!!
思わず撫で回したくなるようなあの腰がっ!!!
あの腰を思うだけでも顔緩む。
そしてついつい口からも笑いが漏れてしまう。うふふふふ。
その際、周りからの視線が突き刺さるような気がしたが、いつものことだから気にしないことにする。
シズくんと臨也と新羅といる時はいつも見られてるからね!
たくさんの視線を浴びながら(きゃっ私人気者☆)、昇降口に着き上履きを取り出す。
昇降口・・・そういえば私、昨日はここでシズくんと・・・ッキャー!!
「おはよう、」
『・・・』
「朝から俺に会えて嬉しい?俺もだよ」
『私何も言ってないだろうがクソ』
「俺とは以心伝心だからわかるよ」
『明らかできてないから安心して』
あわよくばシズくんと会えたらなぁ、みたいなこと思ってたらこれかよ。
なんでよりによって臨也なんだよ。
下駄箱からひょこりと姿を現した臨也に、キャーとか言ってた気分が急降下した。
臨也ってある意味すごいよね。
ベラベラ喋ってるのを聞き流してじっと見れば、それに気付いた臨也が照れたように頬を赤く染めた。
ふつりと殺意が湧く。見てただけで殺意湧かせるお前はやっぱすごいよ。
ついには腕を広げて私に抱きつこうとしたので拳を臨也の顔面にめり込ませ阻止し、悶え苦しむ臨也を無視して教室へ向かった。
ああ、シズくんに会いたい・・・。
***
「ああ、そうだ。俺、昨日のことについて説明してもらいたいんだよね」
『は?なにが』
「なんでシズちゃんと相合傘したの?ありえない」
『なんで』
「だっては俺の彼女でしょ」
『ありえない』
鼻が赤くなってる臨也が何事もなかったかのように私に話しかけてくる。(結局教室行くまでの道でシズくんには会えなかった、しょぼーん)
シズくんとの相合傘の話題が出て顔が緩んだが、臨也のうざい一言で一気に顔が歪む。
何回でも言うね、こいつある意味すごいよね。
流れ作業のように臨也の言葉を軽く切って捨てて、晴れ渡る空を眺める。
すると、臨也が私の机の上に一本の傘を置いた。
『なに、これ』
「傘」
『見りゃわかる!これを置いてなんなの?って意味』
傘を指差して言ったら、ふふんみたいな顔した臨也。
あ、うざい。
「俺もと相合傘がしたい!だから今日は一緒に帰ろう!」
その瞬間、―――――私は無言で傘を教室の窓から放り投げる。
「ああああ!!」とかなんとか聞こえたけど、知らん顔。
何を言うかと思えば・・・なんてうざいことを!
聞いて損した。むしろ見て損した。
まあでもこれで少しは大人しくなるかな。
「でも俺は用意周到だから、傘はもう一本あります」
しかし、臨也は爽やかでキラキラした笑顔(周りの女子が喜ぶような顔)で黒い傘をどこからか取り出した。
それはまた私の机の上に置かれる。
・・・こいつ・・・、いや、これは私が甘かったな。臨也のしつこさを忘れてた。
チッと舌打ちをして傘を掴む。
『臨也くん、傘うざいな、折っちゃおうかな』
「照れなくてもいいから、俺と相合傘を」
『しない。というか今日晴れてる必要ない残念!』
「俺の心は土砂降りだから、という傘が必要だな」
なにうまいこと言った、みたいな顔してんだよ。
得意げに胸張るなよ。
決まった、みたいな顔するのもやめろ、ぶっ飛ばしたくなる、むしろぶっ飛ばしたい。
あまりのうざさとイラつきに固まってしまった私に、臨也がそっと手を伸ばしてきた。
その手は私の頬に当てられる。
そして、ゆっくりを顔を近づけ・・・・・・てきたので、私は容赦なく頭突きをかました。
自慢じゃないが私の頭突きは結構すごい。あのシズくんも私の頭突きに痛がるくらいだ。
苦しそうに教室の床をのた打ち回る臨也に、今日の床掃除いらないなーなんてのん気に思った。
ざまあ、臨也!!
あ、もちろんこの後、私は再度臨也の傘を窓から放り投げたのは言うまでもない。
以上、今日のいざいうざやくんでした!
よんほ。
>>>お次はシズくん!