「はさー静雄のどこがいいの?」
『ずいぶんいきなりだし今更な質問だね』
「ちょっと気になってね」
『どこがいいの、かぁ・・・んー』
「あれ?」
『ん?』
「いや、のことだから即答で言うかなぁと思ってて・・・」
『えーだってシズくんのいいとこなんて多すぎてすぐ言えるわけないじゃん!』
新羅だってセルティのどこがいいのって聞かれたら即答できないっしょ?と言われ、確かにと納得する。
うん、セルティのいいとこなんて多すぎてすぐ言えない!どれから言おうか迷っちゃうよ!
新羅は最愛のセルティを思い浮かべ、頬を緩ませた。
『まあ、簡潔に言っちゃえばー全部!だね!』
「俺も簡潔で言うならそうなるかな・・・って、もうひとつ気になったことがあるんだった」
そう、前から聞こうとしてたことがあった。
あまりにも自然すぎて最初は全然気付かなかったことだ。
『なになにー?』
「なんでってさ、静雄のことシズくんって呼んでキレられないの?」
『?』
「いやさ、静雄は臨也がシズちゃんって呼んだら『俺の名前は平和島静雄だっつってんだろうがよぉ、あ゛ぁ?』って言うじゃないか。だけどの場合は何も言わないだろう?どうしてだい?」
はきょとんと目を丸くした。
『んー今のシズくんの物真似はちょいと地響きのような重さがなかったかな』
「えっ何の話?俺の今の話聞いてた?」
『あぁ、うん聞いてたよ。まぁそれはだね、シズくんにきちんと許可を取ったから私は大丈夫なんだ』
「そうなんだ・・・・・・で、なんて言って静雄を納得させたの?」
『えっと、私だけが呼ぶシズくんの名前が欲しかったの』
「?」
『周りと一緒が嫌だったの。シズくんの中で私だけがシズくんって呼ぶ。それってちょっとだけ、シズくんにとっての特別になれると思わない?』
「なるほど・・・」
『私が思ってることをシズくんにそのまま言ったら、渋々だったけどシズくんって呼ぶのを許可してくれたんだー』
「へぇー・・・・・・なんていうか、は本当に静雄が好きなんだね」
『うん!大好き!』
そんな彼女の笑みに、自然と新羅の頬も緩んでいく。
いつも誰彼構わず振り回す幼馴染のを妹のように思っている新羅は、どうか彼女がいつまでも笑顔でいれますようにと密かに思うのであった。
きゅうほ。
>>>家族より家族らしい彼ら。