「どうせ、お前だって俺から離れて行くくせに」
「そうだね。いつかは私もアキラから離れる日は来るだろうね」
「だったら早くどっか行けよ。俺に構うな」
「いつ行くかは私が決めるわ。それに構ってって顔でそんなこと言われても説得力ないわよ」
「っうるせぇよ!!俺はそんな顔してない!!いいから俺のことはもうほっといてくれよ!!
お前も・・・・・・狂もあいつらも・・・・・・みんな大っ嫌いだッ!!」
「・・・・・・そう」
「なんで・・・・・・みんな俺のこと置いてくんだよ・・・・・・ちくしょう・・・・・・ッ!!」
「・・・・・・アキラ、」
「っ早くどっか行けっつってんだろ!!」
「だから、いつどこかへ行くのも全部私が決めるわ。
アキラに言われたからってなんで今すぐどこかへ行かなきゃいないのよ。それに・・・・・・私だって結構寂しいんだからね」
「・・・・・・え、っ?」
「みんなとこんなすぐ別れが来るなんて・・・・・・思ってなかったし。私だってみんなと離れたくなかったわよ」
「・・・・・・」
「でも、これが最後の別れってわけじゃないからいいけどね。みんなとはまたどこかで会えるって信じてるし」
「・・・・・・そんなのわかんねぇだろ。
また会えるなんて確率的に低いし・・・・・・それにこんな世の中じゃいつ死んでもおかしくないだろ」
「アキラはそう簡単にみんなが死ぬと思う?」
「思わない、けど・・・・・・」
「死ぬとしたってきっと派手に、歴史に刻むようなことやらかしてから死ぬと思うから・・・・・・
その時はその時みたいなね」
「なんだよそれ・・・・・・」
「アキラもさ、ちゃんと死ぬ時は派手に死になさいよ」
「俺は死ぬ前提か」
「今のままじゃすぐ死ぬでしょ。弱いし」
「・・・・・・別に強くなるから死なねぇよ」
「・・・言ったな、じゃあちゃんと強くなんなさいよ」
「なるさ・・・・・・だって俺、狂の背中預かってんだから」
「・・・・・・それもそうだね」
「お前よりも強くなる」
「うん強くなってね・・・・・・と、それじゃあ今日はもう寝ようかな。・・・・・・あ、一緒に寝る?」
「は、はぁ!?ね、寝るわけねぇだろ!!ガキ扱いすんな!!」
「はいはいそうやってすぐムキになるとこがガキなのよ。
・・・・・・あと、私明日にはどこかに行くわ」
「は・・・・・・はぁ?」
「アキラにも負けてらんないしねー私も強くならなきゃ。
・・・・・・またみんなと再会する時にすごく驚かれるように、ね」
「・・・・・・俺も、あいつらのこと驚かせてやる」
「ふふっ・・・・・・今から楽しみだね」
「へへっそうだな!」
そうして僕らは越えてきたよ
「・・・・・・は?あんたアキラ?」
「えぇ、そうですよ」
「・・・・・・ホントに?」
「えぇ」
「短気で馬鹿でチビすけだったあのアキラ?」
「・・・・・・随分失礼な物言いですね」
「だ、だって・・・・・・なにその口調。きもっ・・・」
「きもっ・・・!?べ、別に普通でしょう?」
「いや・・・・・・昔のアキラ知ってると思うとすごく違和感があるわ」
「はぁ・・・・・・私は大人になっただけですよ」
「・・・・・・」
「背だって・・・・・・貴女より低かったですが今は貴女より高い。
声も低くなりましたし、手も貴女より大きいですよ。
私はもう、少年ではなく大人になったのです。
そして何よりあの頃より・・・・・・強くもなりました」
「そっか・・・・・・そうだね、もう四年も経ったんだもんね・・・だけど、その・・・目、どうしたの?」
「あぁこれですか?・・・・・・これは強さを手に入れるための犠牲ですよ」
「・・・・・・そう」
「後悔等は全くしていないので、同情なんてものしないで下さいね」
「そんなものしないわよ・・・・・・ただ、」
「ただ?」
「アキラの目、青くて綺麗で好きだったのに・・・見れなくなっちゃったのは寂しいなって・・・」
「・・・・・・」
「でも、しょうがないよね。それはアキラにとって強くなったという意味でもあるのよね」
「・・・・・・えぇ」
「そっか・・・・・・ふふ、アキラが大人だなんてなんか変な感じ。
けど、そんなアキラに会えて良かったわ・・・・・・すごく嬉しい」
「っ・・・・・・私も、・・・・・・また貴女に会えて嬉しいです」
そうして僕らは走り出す
「あ、そういえばアキラはちゃんと蒙古斑は消えたの?」
「は、ぁ!?お前なんの話してんだ!もともと蒙古斑なんてねぇよ!!」
「おぉホントにアキラだ」