ルークにガイが呼んでたとの知らせをうけ、ガイが待ってるという木の下へやってきました私です。 (ガイーきたよ。)(え、あ、うわっ!あぁや、やぁ!) 目に見てわかる動揺をされ、困り果てる。 目を泳がせて私を見ようとしないガイにイラっときた。 お前呼んどいてなんだその反応は。てか軽く傷つくし!仮にもガイくんは私の好きな、人だったりする。 だけど、あいつ女嫌いだからあんまアタックとかできないけどー。 まぁだからこのお呼びだしはドキドキだったりしたのに、なんだその態度いい加減こっち向けやコラァ! その思いが伝わったのか、今まで視線をあちこちに泳がせていたガイが私の方を向く。視線が、ガッチリとあった。 綺麗な青い瞳が真剣に私を捉える。(このやろーやっぱかっこいいなもうっ)









、」

「・・・な、なに?」

「・・・」

「・・・え、なに、え?」

「お、」

「お?」

「・・・いや、違う、あ、その、気にしないでくれ・・・!」










そう言ってガイはものすごい勢いで走り去って行く。走り去って・・・走り・・・ちょっ・・・なんじゃそらぁぁぁ! え、あんなにいい雰囲気であんなに期待させといて・・・これはないんじゃないの!? 一人残された私は怒りに震える拳を木に叩きつける。 ドサッとガタガタ震えた魔物が出たが一睨みするとガタガタ震えながら去っていった。(懸命な判断だね!) はぁとため息をこぼしてガイを想っても、当の本人は先ほど逃げ出した・・・イラッ。 ・・・あー、ダメとりあえずルークんとこに戻ろう。 あいつ殴ってやる。フンッと鼻を鳴らして、足を動かす。目指すはルーク! ガイのこと教えろルーク!(あっ本音出ちゃった)









「おーじゃん」

「ルークゥゥゥ!おんどりゃあガイの攻略教えろやぁぁぁ」

「は?お前何言ってんだ?」

「・・・とりあえずガイのところへ行きましたが、ガイは何も言わず走り去って行きました」

「・・・ドンマイ」

「ドンマイじゃないですちょっルークどうしたらいい?てかガイは私に何を話そうとしたわけ? なんか変に言いかけて猛ダッシュでいなくなるし・・・あぁなに、 やっぱ私見込みなし? だってティアとかアニスとかナタリアにはさ普通に話しかけてるくせにさ私には話しかけてきたとしても 目泳がせて私のこと一向に見ようとしない、し・・・うぅルークどうしよう!」

「・・・よく一息でそんなに喋れんな」

「えへへありがとうだが注目点はそこじゃなくね!?」










ルークの元へ行けばしまりのない顔でひなたぼっこをしてた。 ひたすら喋り続ける私にルークは半目で聞いてくれる。(てめぇ真面目に聞けよ) けど、前の長髪ルークだったら確実に 「ねみぃ寝る」 私の話を聞く前に 「ねみぃ寝る」 これで何回私がキレて髪の毛を力の限り引っ張ったことか!なので、一応彼は成長した。 話ちゃんと聞いてくれるし・・・半分寝てるけどね。









「でさぁルーク、」

「あー?」

「どうすればいい?」

「あー?あー、うん」

「聞いてなかったのか貴様」










ガスっとチョップを食らわせばルークは悲鳴をあげる。 (いってええ) (ティアの着替え見たときにやられた回し蹴りと今のどっちが痛い?)(あっちのが色んな意味で痛かった) ウルッ。潤みだしたルークの目を見て慌て頭を撫で撫ですると、 ぶすくれたルークが私を睨みつけてきた。へっそんな潤んだ瞳じゃ怖かねぇよ! おーよしよしよし!頭をしつこく撫で撫でしたら、 ウガァァとキレたルークが私の頭を鷲掴みにした。(!)ちょっいたっ!い、だだだだ! ハンパないルークの握力が私の頭を粉砕しようとする。ちくしょうさすがこの腹筋やろー! 痛みで涙が私の瞳からちょちょぎれそうになったとき、そこへ素敵な声とともに綺麗な金髪が歪んだ視界で煌めいた。 おっ、え?









「あ、ガイ」

「(ガ、イ!?)えっ!」

「ルーク!が泣いてるじゃないか!早く離してやれ!」

「えっあ、わりぃ」

「えっあ、うん」

「大丈夫か・・・?」

「えっあ、うん」









心配そうに私を見つめて聞いてくるガイにこくこくと壊れた首振り人形のごとく首を振る私。 ガイの綺麗なその瞳に私が映ってると思うと、心臓マジやばい。 さっき芽生えたガイへの殺意はまっさらさらに変わってふつふつと愛しい気持ちが溢れてきて、 あぁ心臓本気でやばい。ガイにも聞こえちゃうんじゃない? とか思うほど激しく心臓が鼓動する。するとルークが変に慌てだして 「・・・ティ、じゃなくてアニでもねぇなジェはやだからナタは面倒だな・・・わりぃとりあえず散歩行ってくる」 と言ってそそくさと私たちから遠ざかる。(グッジョブ!ルーク!) 私はそんなルークの勇敢な彼の去り行く背をしばらく見つめていたが、視線をガイに戻す。 (やっぱかっこいいですこの男。ナイスガイ。)









「・・・」

「・・・」

「・・・、」

「な、なに?」

「さっき言いかけてたことなんだが、」

「う、うん」










私を見つめていた瞳がまたせわしなく泳ぎ始めた。 (え、ちょっまたこの展開で逃げられたらたまんないんだけど・・・)私はガイを見つめる。 彼の瞳が私を向いていなくても、私は彼を見つめる。どうか少しでもいい、この溢れる想いがガイに届けばいい。 普段ジェイドに熊みたいですねと言われようがルークに男女と言われようが、 この気持ちはれっきとした乙女の気持ちだと胸を張って言える。 ・・・まぁガイに面と向かってそんな主張はできませんが。なんか自分の情けなさに情けない。 うん。でも、誰でも恋したら情けなくなるよね!ふへっとだらしなく笑うと、 ガイが驚いたように目を見開いた。え、そんなに顔ひどかった今?









「ガイ?」

「・・・、情けないことに俺・・・君を前にするとうまく、話せなくなるんだ」

「・・・はい?」

「つまり、」

「つ、まり・・・?」








気のせいだろうか。ガイの頬が赤く紅潮しているのは。 私の都合のいい錯覚かなにかですか?このいい雰囲気に当てられたとかですか? 私はぎゅっと手を握りしめてガイの言葉を待つ。








「俺はのことが、好きだ」

















ハッピーエンドはたった一言
(う、えええ!?) (唐突すぎるし君が俺のこと避けてることも知ってるけど、それでも俺はが好きだ) (さっ避け・・・?い、いやいやいや!) (!そんなに、俺のこと嫌だったのか・・・?) (は!?っあ、違う!違うから!今のいやいやいやは避けてないよて意味で嫌の意味じゃなくてあぁもう混乱してきた!私も好きです!)(え・・・?) (ガイのことが、は、初めて会った時から好きです!あああ言っちゃったよひー!) (・・・俺も、初めて会った時から好きだ)



ガイにフッと微笑みを向けられて私は窒息死寸前。好き、ともう一度呟けば控えめな優しいキスがおでこに降ってきた。