「シズくんシズくん、これあげる」
「あ?んだこれ・・・・・・チョコ?」
「うん。もうすぐバレンタインでしょ?シズくんお仕事忙しいから14日に渡せるかわかんないしって思って渡せるうちに渡そうと」
「・・・・・・お前の手作りか?」
「そうだよ。シズくんに喜んでもらいたくて」
「毒とか入れてねぇよな?」
「入れてるわけないじゃん失礼な」
「いやお前この前作ってくれたシチューに毒入れてたじゃねぇか」
「あれはほんのジョークだよ。それに毒って言ってもしびれ薬だもん」
「っお前・・・・・・!」
「わわっ怒んないで!とりあえず今回は何にも入れてないから!入れたとすればシズくんへの愛情だけ!」
「・・・・・・(前もそんなこと言ってたから信用なんねぇよな)」
「・・・・・・もうなによ、彼女が愛情こめたチョコを受け取ろうとしないなんて。ひどすぎるよシズくん。もういいもん、これイザヤくんにあげるもん」
「あ゛ぁ!?なんでそこでノミ蟲なんかにやることになるんだよ!!」
「だってイザヤくん私の手料理だったらなんでも食べてくれるって言ってくれたもん。彼女のチョコを食べてくれない彼氏にはもう知りません」
「っ、悪かった!俺が悪かったからあんなノミ蟲なんかにやんな!」
「・・・・・・ちゃんと残さず食べる?」
「・・・・・・食べる」
「ふふっならシズくんにあげる!!シズくんにだけ、なんだからね!」
「ん・・・・・・ありがと、な」
あまいあまーい、のは・・・だあれ?
「・・・おい、なんか体熱ぃんだけど」
「ん?・・・ああ、そのチョコ愛情入ってるからね」
「・・・何、入れた?」
「んーしいて言うならぁ・・・媚薬?」
「・・・っ、お前なぁ・・・!」
「あははっ!もうシズくんったらそんな怖い顔しちゃやー!あっ、そうだ!もう1つシズくんにバレンタインプレゼントが!」
「あ゛ぁ!?どうせロクなもんじゃねぇんだろ!いらねぇよ!!」
「うわーひどい!!ロクなもんじゃないもん!!だって、プレゼントは・・・私なんだから!!」
「あ・・・?」
「あまいあまーいのは、チョコじゃなくて・・・これから私と過ごす時間、だよ」
「っ!?」
「さっ!そのチョコ食べ終わったら、私を召し上がれ!」
「・・・っとに・・・有難く食わせてもらうよ、ばーか」
Happy Valentine!